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みなづち
@minaduchi
ゲイ×強迫性障害のぼく。そんなぼくのネットだから言える本音をゆるっと発信。現実世界では隠して生息してるけどネットではさらけ出している。ゲイを自覚して20年。強迫性障害を発症して15年。
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「日本では家族じゃない」:海外で結婚10年の同性カップルが日本の病院で「他人」にされた日

「日本では家族じゃない」:海外で結婚10年の同性カップルが日本の病院で「他人」にされた日
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ゲイのみなづち(@minaduchi)です。

もし、あなたのパートナーが旅先で倒れたとしたら。救急車に同乗し、病院に着き、医師から説明を受ける。当然、そばにいられると思いますよね。

でも、それが「当然」ではない人たちがいます。

海外で正式に結婚していても、日本では「家族」として認められない。結婚10年のカップルでも、法律上は「赤の他人」。命の危機に瀕したパートナーのそばにいることさえ、許されないことがあるのです。

「おもてなしの国」日本。でも、そのおもてなしは、すべての人に届いているのでしょうか。

今回は、ある外国人同性カップルの体験を通じて、日本の同性婚不在がもたらす現実を考えます。

本記事のポイント

  • 海外で結婚しても日本では法的に「他人」
  • G7で唯一、包括的な法的保護がない
  • 6件中5件の高裁が違憲判断
  • パートナーシップ制度に法的拘束力なし
  • 2026年以降に最高裁判断の可能性

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みなづち
  • 僕はゲイ×強迫性障害
  • ノンケ→バイ→ゲイに心変わりしてきた
  • ゲイを自覚して20年ほど
  • Instagramを中心に発信活動しているクリエイター
  • 🌈 結婚する自由を、すべての人に。
目次

結婚記念日の旅行が絶望に変わった日

救急車の中で

休暇で日本を訪れた、ある同性カップル。結婚して10年になる二人は、結婚記念日を日本で過ごそうと計画していました。

しかし、旅行中にパートナーの一人が突然体調を崩し、救急車を呼ぶことに。救急車の中、もう一人は必死にパートナーの手を握り続けていました。

「ご家族のみです」

病院に到着すると、看護師からこう告げられました。

「ここから先は、ご家族のみです」

「夫です。そばにいさせてください」

看護師はためらい、目をそらしました。

「すみません。日本の法律では…家族ではありません。退室してください」

手を離さざるを得なかった

彼の手を、離さざるを得なかった。「大丈夫?」と声をかけることさえ、許されなかった。

故郷では、配偶者。

日本では、ただの「他人」。

結婚記念日で来たはずの日本。

その代わりに知ったのは、「日本には同性婚がない」という絶望でした。

【注】以上は問題を説明するための事実に基づいたフィクションです。以下に実際の状況を説明します。

故郷では「配偶者」、日本では「他人」

海外で結婚しても日本では無効

なぜ、海外で正式に結婚しているのに、日本では「家族」として認められないのでしょうか。

日本では同性婚が法的に認められていません。

そのため、国際私法の観点からも、同性婚を認めている国で有効に成立した婚姻であっても、日本の視点からは婚姻の効力が認められない場合があります。

つまり、アメリカやドイツで結婚した同性カップルが日本に来ても、日本の法律上は「婚姻関係にない」と扱われる可能性があるのです。

パートナーシップ制度も使えない

「パートナーシップ制度があるのでは?」と思う方もいるかもしれません。

2025年5月時点で、日本では530の自治体がパートナーシップ制度を導入し、人口カバー率は92.5%に達しています。しかし、この制度には重大な限界があります。

パートナーシップ制度の限界:

項目法的婚姻パートナーシップ制度
法的拘束力ありなし
相続権ありなし
配偶者控除ありなし
医療同意権あり法的権限なし※
自治体外での効力全国有効なし

※医療同意については、病院の裁量で認められることもありますが、法律上の権利として保障されているわけではありません。

パートナーシップ制度は象徴的な認知であり、法的地位ではありません。病院や企業に対して法的義務を課すことはできず、完全に善意に依存する「お願いベース」の制度なのです。

さらに、外国人観光客がパートナーシップ制度を利用することは現実的に困難です。多くの制度は住民登録を要件としているためです。

G7で唯一:包括的な法的保護がない国

他のG7諸国との比較

日本は、G7の中で唯一、国レベルで同性カップルを対象とした婚姻やシビルユニオンなどの包括的な法的保護制度が存在しない国です。

同性婚シビルユニオン
アメリカ
イギリス
フランス
ドイツ
カナダ
イタリア✅(2016年〜)
日本

イタリアは同性婚こそ認めていませんが、2016年からシビルユニオン制度を導入し、相続権、税制優遇、医療同意権を保障しています。

日本だけが、同性カップルに対する包括的な法的保護を持っていないのです。

アジアでも台湾・タイが先行

アジアに目を向けると、台湾が2019年にアジア初の同性婚を法制化。タイも2025年1月から同性婚が施行されています。

2025年時点で、世界では約40の国・地域が同性婚を認めています。

「先進国」を自認する日本は、この流れから大きく取り残されているのが現状です。

6件中5件が違憲判断、それでも変わらない現実

高裁判決の状況

日本の司法は、同性婚の不在をどう判断しているのでしょうか。

2024年から2025年にかけて、6件の高裁判決が出されました。その結果は、6件中5件(83.3%)が違憲判断という圧倒的なものでした。

裁判所日付判決
札幌高裁2024年3月14日違憲
東京高裁(1次)2024年10月30日違憲
福岡高裁2024年12月13日違憲
名古屋高裁2025年3月7日違憲
大阪高裁2025年3月25日違憲
東京高裁(2次)2025年11月28日合憲

唯一「合憲」判決を出した2025年11月28日の東京高裁(2次)判決に対し、原告からは「悪夢のような判決」、弁護団からは「性的マイノリティに対する誤解と偏見に満ちた、特異な判決」との評価が出ています。

最高裁での統一判断

6件すべてが最高裁に上告されており、2026年以降に統一判断が示される可能性があります。

83.3%の高裁が「違憲」と判断している現状。

最高裁がどのような判断を下すのか、日本の婚姻平等の未来を決める重要な局面を迎えています。

まとめ:「おもてなし」に値する国になるために

結婚記念日を祝うはずだった旅行が、法的な壁によって絶望に変わる。これが、2025年の日本の現実です。

おもてなしの国、日本。

しかし、そのおもてなしは、同性カップルには届いていません。海外で正式に結婚していても、日本では「他人」。命の危機に瀕したパートナーのそばにいることさえ、許されないことがあるのです。

6件中5件の高裁が違憲と判断し、世論調査でも約6〜7割が同性婚に賛成している現在。司法も、国民の多くも、変化を求めています。

2026年以降、最高裁での統一判断が示される可能性があります。日本がすべての人に「法の下の平等」を保障する国になれるかどうか。その答えは、もうすぐ出ます。

愛する人の手を、離さなくていい日が来ることを願っています。

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