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みなづち
@minaduchi
ゲイ×強迫性障害のぼく。そんなぼくのネットだから言える本音をゆるっと発信。現実世界では隠して生息してるけどネットではさらけ出している。ゲイを自覚して20年。強迫性障害を発症して15年。
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「彼女いる?」に笑顔で嘘をつく:10年連れ添っても人前で手を繋げない同性カップルの現実

「彼女いる?」に笑顔で嘘をつく:10年連れ添っても人前で手を繋げない同性カップルの現実
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ゲイのみなづち(@minaduchi)です。

クリスマスの街は、カップルたちの幸せで溢れています。イルミネーションの下で手を繋ぎ、寄り添って歩く恋人たち。それは多くの人にとって「当たり前」の光景です。

しかし、その「当たり前」から排除されている人たちがいます。10年連れ添っても、人混みでは他人行儀に歩かなければならない同性カップルです。

厚生労働省関連の調査によると、LGB当事者の約92.7%が「今の職場で誰にも伝えていない」状況です。

「彼女いる?」と聞かれて「いない」と笑顔で答える。嘘ではない。でも、最高のパートナーがいることは言えない。その罪悪感を、毎日抱えています。

この記事では、同性カップルが日常的に強いられる「隠す」という精神的コストと、同性婚の法制化がもたらす「空気の変化」について考えます。台湾の事例が示すデータとともに。

本記事のポイント

  • LGB当事者の約92.7%が「今の職場で誰にも伝えていない」
  • 性的マイノリティは心理的ストレスが深刻な傾向(K6「15点以上」が13.2%、全体の約1.5倍)
  • 台湾では施行前後の数年間で同性婚賛成が+25.2ポイント上昇
  • 日本では6件中5件の高裁が違憲判断、世論の65%が賛成

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みなづち
  • 僕はゲイ×強迫性障害
  • ノンケ→バイ→ゲイに心変わりしてきた
  • ゲイを自覚して20年ほど
  • Instagramを中心に発信活動しているクリエイター
  • 🌈 結婚する自由を、すべての人に。
目次

クリスマスの街で「他人」を演じる二人

「彼女いる?」に笑顔で嘘をつく:10年連れ添っても人前で手を繋げない同性カップルの現実

イルミネーションが街を彩る12月。恋人たちにとって、一年で最もロマンチックな季節です。しかし、ある同性カップルにとって、この季節は「隠す」ことへの意識がより強くなる時期でもあります。

イルミネーションの下で離れて歩く

僕たちは10年一緒にいる。一緒に暮らし、一緒に笑い、一緒に泣いてきた。

でも、クリスマスの人混みでは、少し距離を空けて歩く。

周りには手を繋いだカップルがたくさんいる。肩を寄せ合い、幸せそうに微笑み合っている。

僕たちだって、本当はそうしたい。

でも、「男同士で手を繋いでる」と思われることへの恐怖が、いつも心のどこかにある。

「彼女いる?」笑顔で返す嘘

職場のクリスマス会で、同僚が聞いてくる。

「彼女いる?」。

悪気はないのだろう。ただの世間話だ。

「いないよ」と笑って答える。嘘じゃない。

彼女はいない。最高の彼氏がいるだけだ。

でも、その「だけ」が言えない。言えないことへの罪悪感が、胸の奥でじわりと広がる。

ポケットの中だけの体温

帰り道、人通りが少なくなった街で、彼がそっとコートのポケットに手を入れてきた。

外からは見えない。誰にも気づかれない。秘密の体温。

こんな小さなことでさえ、隠さなければならない。

彼の手の温もりを感じながら、僕は思う。

いつか、太陽の下で堂々と手を繋いで歩きたい。

僕が欲しいクリスマスプレゼントは、繋いだ手を隠さなくていい世界だ。

以上は問題を説明するための事実に基づいたフィクションです。以下に実際の状況を説明します。

約9割が「誰にも伝えていない」職場で「独身」を装う現実

「彼女いる?」に笑顔で嘘をつく:10年連れ添っても人前で手を繋げない同性カップルの現実

フィクションで描いた「隠す」という行為は、決して特殊な経験ではありません。厚生労働省関連の調査データが、その深刻な実態を示しています。

厚労省調査が示す「見えない」当事者たち

厚生労働省委託事業「職場におけるダイバーシティ推進事業」の調査によると、LGBで「今の職場の誰か1人にでも伝えている」割合はわずか7.3%にとどまっています。

つまり、約92.7%のLGB当事者が「今の職場で誰にも伝えていない」状況です。

毎日8時間以上を過ごす場所で、自分の一部を隠し続けている。それがどれほどの精神的負担になるか、想像してみてください。

カミングアウトできない理由

なぜ、これほど多くの人が伝えていないのでしょうか。

ある調査では、職場の先輩が同性愛に対して偏見を持っていることがカミングアウトできない理由として挙げられています。

「あいつホモじゃない?」という発言を聞いてしまったら、とてもカミングアウトはできません。

また、カミングアウトした場合のキャリアへの影響を懸念する声もあります。

昇進や評価に影響するのではないか。人間関係が壊れるのではないか。そうした不安が、当事者を沈黙させています。

「彼女いる?」が沈黙を強いる構造

「彼女いる?」という質問自体は、悪意のない世間話です。

しかし、この質問は異性愛を無自覚に前提としています

この質問に対して、ゲイ男性は「いない」と嘘をつくか、カミングアウトするかの二択を迫られます。

何気ない質問が、当事者に沈黙を強いる。これは悪意なき「構造的な圧力」の典型例です。

見えない差別がメンタルヘルスを蝕む

「彼女いる?」に笑顔で嘘をつく:10年連れ添っても人前で手を繋げない同性カップルの現実

「隠す」ことは、単なる不便さではありません。それは、当事者のメンタルヘルスに深刻な影響を与えています。

K6得点が示す心理的負担

厚労省の同調査では、メンタルヘルスの状況を測定するK6という指標を用いた分析が行われています。

K6は「絶望的だと感じたか」「自分は価値のない人間だと感じたか」など6つの質問に答える形式で、合計点が高いほど心理的ストレスが深刻であることを示します。

一般的に10点以上で中等度、15点以上で重度のストレス状態とされ、専門家への相談が推奨されるレベルです。

その結果、シスジェンダーの異性愛者と比較して、性的マイノリティではK6「10〜14点」が17.9%(全体12.5%)、「15点以上」が13.2%(全体8.9%)と、いずれも高い割合を示しました。

特に深刻なのは、重度のストレス状態を示す「15点以上」の割合が、全体の約1.5倍にのぼることです。

隠し続けることのストレスが、数値として明確に表れています。

転職回数の多さが語る職場の困難

同調査では、性的マイノリティ当事者は異性愛者に比べて転職回数が多い傾向も報告されています。

職場で自分らしくいられないこと、差別的な発言を聞くこと、カミングアウトできないストレス。

これらが積み重なり、働き続けることが困難になるケースが少なくありません。

「隠す」ことのコストは誰が払うのか

この精神的コストを払っているのは、当事者個人です。

しかし、本来これは社会が負うべきコストではないでしょうか。

同性婚が認められていないこと、差別を禁止する法律がないこと、社会の理解が不十分なこと。

これらの構造的問題が、当事者に「隠す」ことを強いています。

台湾が示す変化:施行前後で賛成が25ポイント上昇

「彼女いる?」に笑顔で嘘をつく:10年連れ添っても人前で手を繋げない同性カップルの現実

「同性婚を認めても、社会は何も変わらない」という声があります。しかし、台湾の事例は、施行前後で社会の意識が大きく変化したことを示しています。

施行前後の数年間で起きた変化

台湾では、2019年5月24日に同性婚法が施行されました。アジアで初めての同性婚合法化です。

その前後で、社会の意識がどう変わったか。データが示しています。

台湾行政院の世論調査結果によると、「同性カップルは合法的な結婚の権利を持つべきだ」と回答した人は、2018年には37.4%でした。

それが2023年には62.6%に上昇しています。

施行前後の数年間で+25.2ポイントの上昇。法制化前は4割にも満たなかった賛成が、6割を超えたのです。

この変化と法制化の関連性は、多くの専門家が指摘しています。

さらに、「同性婚が家族制度や倫理を破壊する」との問いに「同意しない」と答えた人は59%に上り、2018年から20.3ポイント増えました。

街中で手を繋ぐカップル:日本との違い

数字だけではありません。街中の風景そのものが変わりました

台湾在住の日本人の証言によると、「街中で堂々と歩く同性のカップルを見かけることが、日本と比べると多い」「セクシュアルマイノリティであることを友人や同僚にカミングアウトすることが、かなり一般的になってきている」といいます。

法制化前の台湾も、日本と同じように、同性カップルは公の場で関係を隠していました。

でも今は違います。法的に「家族」として認められたことで、人々は堂々と手を繋いで歩けるようになりました

これこそが、「国が『家族』と認めてくれたら、きっと空気も変わる」という言葉の意味です。

年配世代も変わった:法制化と意識変化の関連

特筆すべきは、年配世代の意識変化です。

台湾LGBTQ団体「台湾同志諮詢熱線協会」の杜思誠秘書長は、次のように語っています。「この4年で社会のLGBTQに対する態度は大きく変わった。

とくに同性婚の法制化で年配世代の意識が変わり、自分の子どもがLGBTQだということを受け入れる人が増えている」。

法制化前は、台湾も儒教的家父長主義の影響で、同性愛者への圧力が強かったのです。

親や親戚が結婚を迫る「催婚」文化があり、同性愛者は異性と結婚して隠れて二重生活を送ることを余儀なくされてきました。

でも、法制化の前後で社会の空気が変わりました

国が「同性カップルも家族だ」と認めたことで、親世代も変わり始めたのです。

日本の司法と世論:変化の兆し

「彼女いる?」に笑顔で嘘をつく:10年連れ添っても人前で手を繋げない同性カップルの現実

台湾の例を見れば、法制化と社会変化の関連性は明らかです。では、日本の状況はどうでしょうか。

6件中5件が違憲判断「司法は動いている」

2024年から2025年にかけて、同性婚に関する6件の高裁判決が出されました。その結果、6件中5件(83.3%)が、同性婚を認めない現行法を違憲と判断しています。

裁判所日付判決
札幌高裁2024年3月14日違憲
東京高裁(1次)2024年10月30日違憲
福岡高裁2024年12月13日違憲
名古屋高裁2025年3月7日違憲
大阪高裁2025年3月25日違憲
東京高裁(2次)2025年11月28日合憲

唯一の「合憲」判決となった2025年11月28日の東京高裁判決に対しては、弁護団から「性的マイノリティに対する誤解と偏見に満ちた、特異な判決」との厳しい評価が出ています。

6件すべてが最高裁に上告されており、早ければ2026年にも統一判断が示される可能性があります(時期は未確定)。

世論の65%が賛成している現実

日本経済新聞の世論調査(2023年2月)では、同性婚に賛成する人は65%に上りました。自民党支持層でも58%が賛成しています。

年代別では、18〜39歳で83%が賛成。若い世代ほど賛成の割合が高く、社会は確実に変わりつつあります。

台湾の例を見れば、施行前の賛成率が37.4%でも、施行後に62.6%まで上昇しました

日本はすでに65%が賛成しています。

法制化されれば、さらに多くの人が「当たり前」として受け入れるようになることが期待されます。

まとめ:繋いだ手を、隠さなくていい世界へ

クリスマスの街で、ポケットの中でしか手を繋げない。10年連れ添っても、人前では「他人」を演じる。

これが、日本の同性カップルの現実です。

厚労省関連調査が示すように、約92.7%のLGB当事者が「今の職場で誰にも伝えていない」状況です。その精神的コストは、K6「15点以上」の割合が全体の約1.5倍という数字に表れています。

しかし、希望もあります。台湾では、施行前後の数年間で賛成が25.2ポイント上昇しました

街中で堂々と手を繋ぐカップルが増え、年配世代の意識さえも変化した。

日本でも、6件中5件の高裁が違憲判断を示し、世論の65%が同性婚に賛成しています。社会は変わる準備ができています。

太陽の下で堂々と手を繋いで歩ける世界。それは、決して遠い夢ではありません。

あなたにできることもあります。この記事をシェアして、同性カップルの現実を知らない人に届けてください。

「結婚の自由をすべての人に」訴訟の動向に関心を持ち、地元の国会議員に声を届けてください。日常の中で、異性愛を前提とした質問を見直してみてください。

繋いだ手を隠さなくていい世界、それは、一人ひとりの小さな行動の積み重ねで、確実に近づいています。

この記事の元になった投稿はこちら

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参考資料

  • 厚生労働省委託事業「令和元年度 職場におけるダイバーシティ推進事業」調査報告書
  • 日本経済新聞 世論調査(2023年2月26日)
  • 台湾行政院 性別平等に関する世論調査(2023年)
  • 「結婚の自由をすべての人に」訴訟 各高裁判決に関する報道

この記事には、問題を理解しやすくするための事実に基づいたフィクションが含まれています。フィクション部分はプライバシー保護のため匿名化・再構成・表現調整を行っています。フィクション以外の内容はすべて公開情報に基づいています。

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